「直虎は自分の信じる道を直感で突き進むタイプで、野性的な行動力があった人だと思います。泥にまみれ、苦労してボロボロになる瞬間があっても、凜として美しいところが柴咲さんに重なりました」
◆史実が少ないのでドラマ向き!
直虎は謎の多い人物で、放送前には「おんな城主」ではなく「男」だったという説が取り沙汰されたほど。東京大学史料編纂所教授で、NHK大河ドラマ『平清盛』では時代考証を担当した本郷和人さんが言う。
「私が勤めている史料編纂所のデータベースを用いて検索すると、徳川家康に関する古文書は3000以上ありますが、直虎についてはたった2件。しかも確実に直虎のものとされるのは1件だけです。裏を返せば、だからこそ大胆な脚色も許されるので、とてもドラマ向きの人物だといえますね。これまでの大河ドラマの枠を超えた作品になるのでは」
『直虎の城』(時事通信社)の著者で、歴史小説家・山名美和子さんもこう語る。
「史料がなく、空白の部分はフィクションで書くしかありません。『井伊家伝記』に“次郎法師は女(おなご)にこそあれ井伊家惣領に生まれ”と記されており、そうした史料を基に直虎を女性主人公として描きました。ドラマでは、直虎を心のしなやかさのある強い女性として描いてほしいですね」
脚本を担当するのはドラマ『仁-JIN-』、『世界の中心で、愛をさけぶ』(いずれもTBS系)などを手がけてきたヒットメーカーの森下佳子さん。ドラマチックな展開が期待できそうだ。
※女性セブン2017年2月9日号