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6年目の「3・11」 復興は次なるステージへ

 東北でも地域によって復興のペースはさまざまだが、ここに来て目に見える形での復興事業が増えてきた。地震と津波により市内全世帯の99.5%が被害に遭った陸前高田市ではこの1月、全長2kmの防潮堤がほぼ完成した。震災前の高さ5.5メートルから12.5メートルへと高くした。市街地も最大12メートルのかさ上げを伴う、土地造成がなされた。建設の始まったショッピングセンターは秋までには完成予定となっている。

 宮城県南三陸町の「南三陸志津川さんさん商店街」は震災後、長く仮設商店街だったが、今月3日常設商店街として新設。初日には1万5000人の人出があったという。

 原発事故の対応拠点として使われてきたサッカー施設「Jヴィレッジ」も再びサッカーの聖地への道を歩み始めた。Jヴィレッジに設置されていた、東京電力の福島復興本社も昨年3月には双葉郡富岡町に移転した。廃炉拠点となっていた本館も閉鎖され、2018年夏にはJヴィレッジとして一部オープン、2019年には全面的に営業を再開する予定となっている。

 近隣のレストラン「アルパインローズ」では元日本代表監督のフィリップ・トルシエが命名した「マミーすいとん」なるメニューも健在だ。

 人の記憶が薄れ行くものだとしても、薄れさせてはならない記憶もある。復興が次なるステージに入るいまこそ、東北の地を目に焼きつけるときではないか。3・11というメモリアルもいいが、なんでもないふつうの日に現地を訪れ、東北の記憶を上書きする。誰もが当事者だったあの日を思い出せば、東北への心の動線は太くなるはずだ。

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