『渡鬼』(橋田さんが脚本を執筆する『渡る世間は鬼だらけ』)はロケがないから絶対ある時間以上やりませんし、せりふが長いから覚えたら全部早いんです。だってシーンが18くらいしかないんですもん。『ドクターX』に(泉)ピン子ちゃん出てたけど、1つの建物の中でも、3つくらいロケに行くんですってね。それは大変ですよね、やっぱり。きつかったって言いましたけど、引き受けた以上はね、ちゃんとやってるわけですよ。
こんなこと言うと怒られるかもしれないけど、自分の仕事じゃないですか。好きで入ったんでしょう。みんなかっこいいところばかり見てるんじゃないですか。特に若い人の認識が足りないんですよ。今の若い俳優さんってそこらに転がってるような人ばかりじゃないですか。昔のスターみたいな人いませんもんね。あの人と、あの人とおんなじじゃないのって(笑い)。もっと自分の仕事を選んだ以上大事にしなきゃ。
それにしても労働条件なんて言い始めたらますますテレビは細っていきますね。ひな壇番組あるでしょ。あれは時間通りに終わりますから楽ですよね。ニュースもそうです。対談番組とか。時間通りに終わる、そういう番組増えるんじゃないですか。
私はお笑い芸人さんの同じ顔ばかりがひな壇に並んでるのを見ると本当に嫌。だから私はテレビはおしまいでいいと思っているんです。違うメディアがいっぱい出てきてるんですから。ただ、毎年秋の『渡鬼』だけは必死に書いてますけど、それは愛情があればこそなんですよ。
※女性セブン2017年3月30日・4月6日号