ブルゾンさんも、男社会に取り込まれずに出てきた新しい存在。あの濃いメイクも、男性目線で見たら面白おかしいかもしれませんが、世の女性から見ればそんなにヘンではないそうです。むしろアメリカの女優やモデルがしているメイクの王道で、彼女自身、普段も同じようなメイクをしているといいます。彼女の好きなアメリカのドラマや映画の世界観を表現しているのでしょう。見た目もぽっちゃりはしていますが、女性から見ればそこまでデブでもブスでもありません。本人としてはそこは売りではなく、あのキャラで真っ向勝負していると思います。
ポジティブなメッセージを発信しているのも渡辺さんと共通しています。ブルゾンさんの場合は、それがよりストレートです。元カレのことが忘れられないと悩む後輩に対して「男は地球にあと『35億』もいるのよ」と励ます言葉には、仕事と恋愛の両立に苦労している働く女性たちに対して、「ポジティブ思考で力強く生きていいのよ」という彼女なりのメッセージを込めているのだと思います。彼女が全く卑屈さを見せないので、見ているほうもスカッとします。
好感度が高いこともブルゾンさんの特徴の一つ。『R-1ぐらんぷり2017』ではネタを飛ばしてしまったことも話題になりましたが、あの時ネット上では、「気にしないで」といった好意的なコメントが多く見られました。もし潜在的にもっと嫌われているような芸人が同じことをしたら、もっと激しくバッシングされていてもおかしくないところです。なぜ彼女の好感度が高いのか。それは、彼女から「どうしてもこのネタをやりたい」という情熱が伝わってくるからだと思います。男性2人に女性が挟まれている構図も、海外アーティストのミュージックビデオ、ドラマや映画のポスターなどでしばしば見られるもので、深い意味があったというよりは、ただそれをやりたかっただけのような気がします。そのネタがどういう意味なのか、などということがどうでもよくなるほど、「この人はとにかくアメリカのエンターテインメントが大好きなんだな」という思いを抱かせます。
◆“ライバル”ゆりやんとの違いとは?