条約は1961年に発効。その最重要部分はどちらか一方が他国の攻撃を受けたら、すぐに軍事的援助を提供すると取り決めている条項であり、事実上の「血盟条約」だけに、破棄すれば、両国が敵対関係に変わったことを示している。これを裏付けるように、社説は最後の部分で、「中国に無理無体なことをしようとして、中国の決意と爆発力を見誤れば、甚大な代価を支払わなければならないだろう」と結論付けて、軍事的介入も辞さないことを明らかにした。
すでに、中国人民解放軍は2016年5月発行の仮想敵に備えた戦時演習ガイドラインで、北朝鮮について、核・ミサイル開発などにより軍事的には「仮想敵」に匹敵、「米国に次ぐ軍事的脅威である」と断じているほどだ。
●そうま・まさる/1956年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。産経新聞外信部記者、香港支局長、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員等を経て、2010年に退社し、フリーに。『中国共産党に消された人々』、「茅沢勤」のペンネームで『習近平の正体』(いずれも小学館刊)など著書多数。近著に『習近平の「反日」作戦』(小学館刊)。
※SAPIO2017年7月号