〈私は、■■■■■■■■詐取したことを認め謝罪いたします〉と5項目にわたってほぼ同じ文面が並び、その次に〈(5項目)以外に窃盗、詐欺、横領などに当たる行為をしたことがないことを誓約します〉と書かれているのだ。
本誌は前号で、「平氏が下村氏の秘書時代に事務所費約30万円を私的に使い、弁護士立ち会いの下、事務所に詫び状を提出した」という下村後援会幹部の証言を報じた。平氏は「事実無根。文書があるなら見たい」と猛反論していた。
この上申書はその実物のコピーとされ、下村後援会の役員会合で実物を見たという複数の幹部も「私が見たのと同じ」と語る。この2人に関しては、最近になってもう一つの“因縁”が報じられた。
「文藝春秋」(7月号)に『加計が食い込んだ下村元文科相夫妻』(森功著)のタイトルで、下村夫人が広島加計学園の教育審議委員を務め、加計学園側が下村氏の支援組織「博友会」のパーティ券240万円分を購入しているというレポートが掲載された。記事は下村氏の元秘書の証言などで構成され、そこで平氏も「夫人は年に五回以上は岡山や広島に新幹線で行っていましたね」と証言しているのだ。
興味深い内容だが、文書が本物ならば、平氏は「職務上知り得た事実を第三者に漏らさない」という誓約を破ったことにもなる。
平氏が出馬する都議選の情勢は一時は自民党が盛り返すかに見えたが、ここにきて大苦戦に陥っている。自民党関係者が語る。
「党の独自調査では都民ファーストが第一党確保の勢い。わが党の候補は軒並み当落線上で苦戦している。地元を回ると家計学園問題に非常に批判が強く、一気に逆風が吹き出した」
そうした状況で出た平氏の上申書は、下村氏サイドにとって形勢逆転の“切り札”になるのか。