国内

加熱式たばこ「三つ巴の戦い」 愛好者はどこまで増えるのか

「プルーム・テック(右)」は「IQOS」をどこまで追撃できるか

 近ごろ、オフィスや街中の喫煙所、居酒屋などに行くと、みるみる愛好者が増えていることに気づく「加熱式たばこ」。その名の通り、従来の紙巻きたばこと違って火を使わず、専用のたばこスティックやカートリッジを本体に差し込み、電気で加熱しながら吸う新型たばこだ。

 いま、加熱式たばこのシェアを独占しているのは、他社に先駆けて2016年4月から全国販売(試験販売は2014年11月~)している米フィリップモリスの『IQOS(アイコス)』である。

 日本でのアイコスの売れ行きは、今年3月時点で本体300万台以上が普及し、品薄状態が現在も続いている。単純に2000万人いる全喫煙者の10%以上のシェアを優に獲得した計算になる。また、「ヒートスティック」と呼ばれるアイコス専用たばこの販売本数も、国内たばこ市場全体の約1割を占めるまでになった模様だ。

 ここまでアイコス人気が高まっているのはなぜか。ユーザーに聞いてみると、大体こんな答えが返ってくる。

「最初は違和感があったけど、紙巻きたばこと同じような“吸いごたえ”が実感できるうえに、燃やさないからタール(たばこ燃焼時に発生する有害物質)が出ないので、将来の健康不安も少しは解消できる」(40代男性)

「吸った後に吐き出す煙のほとんどが水蒸気で、有害物質が1割以下だと聞いた。いま、受動喫煙が大きな問題にもなっていて、たばこの煙で他人に迷惑をかけるのがイヤだったので、(紙巻きから)アイコスに変えた」(30代女性)

 つまり、自分や他人の健康に対する配慮から、〈燃焼派〉から〈加熱派〉に乗り換えた喫煙者が多いというわけだ。『分煙社会のススメ。』などの著書があるジャーナリストの山田稔氏もこう分析する。

「選挙の投票行動をみても分かるように、日本人はその時のムードに流されやすい。近年の健康志向、禁煙志向のなかで喫煙の健康被害が一方的に強調されている状況下において、自身の健康リスクに過敏になり、他者危害・他人への迷惑を配慮する愛煙家が増えているのだと思います。

 能動喫煙、受動喫煙の本当の健康被害について、何らかの疑問は抱いていても、声にしにくい。従来の喫煙スタイルは、自分にとっても周囲の人にとっても良くないのでは、と思っているのではないでしょうか。本当の愛煙家はマジメなのです。

 一方で、最近は“家庭内喫煙”にも規制をかけようという行き過ぎた動きまで出てきています。公共施設や飲食店の屋内に加え、ベランダもダメ、家庭内もという規制強化社会の中で、自衛手段として加熱式たばこを選択する人たちが増えているのだと思います」(山田氏)

 そんな中、アイコスの牙城を崩そうとするライバルの動きも活発になってきた。

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン