「枚方の頃からいつも(小園)海斗と(藤原)恭大は競い合ってきた。お互いがお互いにとって最大のライバルなんです」(こずえさん)
「(6月の)一次選考に名前が入っただけでもありがたいことだと母親同士で話していました。この舞台で大きく成長してくれたら」(藤原の母・道子さん)
外野手の藤原は、PL学園の最後の部員であった2歳上の兄と一緒に野球を始めた。昔からとにかく身体能力が同級生と比べて飛び抜けていた。強肩もさることながら、特筆すべき能力は足だ。50メートル走は5秒7。100メートルも10秒台が狙えるという。一方、小園も俊足で、遊撃手としては捕球してから送球するまでの動作が速く、そして美しい。いずれも来年、100回大会を迎える夏の甲子園の主役となれる逸材である。
実はこずえさんは、サッカー・なでしこリーグの前身であるLリーグの「旭国際バニーズ(現在は消滅)」のMFとしてプレーしたアスリートだった。
「本当はサッカー選手にしたかったけどサッカーボールには目もくれず(笑い)」
今年の高校日本代表には母親が元アスリートという選手が目立った。早稲田実業・清宮幸太郞の母・幸世さんが慶應大学ゴルフ部のキャプテンだったことは有名であり、履正社・安田尚憲の母・多香子さんも国体に出場したやり投げ選手。
ある名門校でスカウトを担当していた名物部長は、有望な選手の将来を見極める要素として、「父親よりも母親の身長や体格、足首に着目する」と話していたが、元アスリートとなればその才能は色濃く息子に受け継がれるのかもしれない。