進次郎氏はこの先、首相と手を握るのか、袂を分かつか3つのポイントで選択を迫られる。

 最初は次の内閣改造だ。自民党内では総選挙の論功行賞で「進次郎の入閣は確定」(細田派議員)と見られており、幹事長への大抜擢説もある。そうなるとまさに安倍首相と同じ出世コースだ。人事を受け入れるかどうかの決断は進次郎の政治家人生を大きく左右する。

 2番目は安倍首相と石破氏らの出馬が予想される来年9月の総裁選である。

「来年のことを話すのは早いのではないか」

 NHK開票番組でそう語って態度を保留したが、安倍3選を支持するかどうかの踏み絵を迫られるのは間違いない。

 そして憲法改正がある。自民党で震災被災地支援の先頭に立ってきた進次郎氏は、「憲法改正の前に目の前の生活がある」と首相の改憲論を批判して震災復興を優先すべきだと唱えていた。安倍改憲にどういう姿勢を取るかが問われる。

 その3つの選択の後に、進次郎氏が大分市の演説会(10月16日)で予告した“勝負の時”がやってくる。

「2020年9月6日、東京パラリンピックが閉幕する。翌日の7日から日本は正念場を迎える。その時のことを考えて『人生100年時代』に誰もが豊かに暮らせ、子どもたちを支える社会をつくるために、今までとは全く違う政策を打ち出します」

 東京五輪後に日本社会は危機を迎え、その時こそ安倍政治と決別するという宣言のタイミングだとも読み取れる。

 2020年9月7日──。進次郎氏が父・純一郎氏のように「安倍政治をぶっ壊す」と独立戦争を起こすか、それとも安倍首相のように服従を誓って政権禅譲を受ける道を取るか。政治家としての真価が問われる。

※週刊ポスト2017年11月10日号

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