国内

橋田壽賀子氏、倉田真由美氏らの#MeToo運動への意見

「このやり方で苦痛から解放されるのでしょうか」と#MeToo運動に疑問を呈していたドヌーヴ

 立場の弱い女性らが声を上げ、世界中を巻き込み広がっていったセクハラ告発運動。SNSのハッシュタグで#MeTooをつけ、被害に遭ったことを告発する運動で、日本にもこの動きは広がった。ただし、被害に泣き寝入りしていた人々の後押しになる――単純にそう言い切ることはできないのではないか、という意見も出た。フランスの大女優の意見が、新たな議論を生んだのである。

《私たちは性の自由にとって必要不可欠な、男性が女性に言い寄る権利を擁護します》

 フランスを代表する大女優カトリーヌ・ドヌーヴ(74才)が9日、女性約100人とともに「ル・モンド」紙に寄稿した声明が、世界中で大論争を巻き起こしている。

 ドヌーヴの主張はあくまで行きすぎた正義に警鐘をならしたもので、セクハラやパワハラを根絶する目的よりも運動のメンバーであることが重要になりつつある現状を憂い、《私たちには、不器用に口説くこととレイプを混同しない聡明さがあるはずです》と訴えた声明だったが、このドヌーヴの発言も攻撃対象に。「セクハラ擁護」「女性蔑視」「せっかくの取り組みが台無しになる」と猛反発を受け、謝罪コメントを発表する事態となった。

 この一連の動きに、

「そこまで言われるなら、怖くて女性と仕事ができない。女性専用車両じゃないが、完全に別室にしてくれた方が気が楽だよ」(50代男性会社員)

「身に覚えがないのに、もしSNS上に実名を出されたらと思うと、本当に怖い。仕事で女性と2人で打ち合わせしたり、会食をすることを今は避けています」(40代男性会社員)

 と男性たちも困惑気味。感じる側が「不快だ」と思えばセクハラであり、セクハラを容認してはいけないというのは大前提。男性陣に「口説くのは権利です」という言葉を伝家の宝刀のように使われても当然困るが、ドヌーヴの意見に賛成する女性の声も多い。

「この運動があってからとにかく仕事がやりづらい」と言うのは50代の女性経営者。「断りもなく触られるのは嫌だけど、女性にはそれを拒む権利もある。それより、せっかく男女平等にと仕事でも向かい合ってきたのに、このやり方では時代が逆戻りしているみたい。男性は女性を守って、女性は家にいて…と、『西郷どん』の中に出てくる“女が学校行く必要はない”という台詞をなんとなく思い浮かべてしまいました」

 脚本家の橋田壽賀子さん(92才)は「私がカトリーヌ・ドヌーヴさんを支持するのもおこがましい」と前置きしつつ、こう語る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
今回の地震で道路の陥没に巻き込まれた軽自動車(青森県東北町。写真/共同通信社)
【青森県東方沖でM7.5の地震】運用開始以来初の“後発地震注意情報”発表「1週間以内にM7を超える地震の発生確率」が平常時0.1%から1%に 冬の大地震に備えるためにすべきこと 
女性セブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン