猛毒を持ち、海外では死亡例も報告されている中国原産のツマアカスズメバチは、日本では2012年に発見された。食料品などに紛れて船で渡ってきた可能性が指摘されている。すでに日本で甚大な被害を生んでいる虫もいる。
「中国で2011年に見つかった、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスが今、日本に入ってきています。フタトゲチマダニなどが媒介しますが、羽毛製品に紛れて中国から上陸した可能性も指摘されています。SGTSに感染すると白血球の減少など様々な障害を来たし、死亡する可能性もある」(前出・村上准教授)
ウイルスの致死率は高く、昨年までに国内で、高齢者を中心に61人が死亡しているという。
◆コンテナ内で拡散
なぜ、次々と入ってくるのか。中国事情に詳しいジャーナリストの奥窪優木氏が言う。
「近年、中国政府は生産拠点の内陸移転を進めており、害虫だらけの山や野原の真ん中に設けられた工場や倉庫も増えた。そうした場所で製造や梱包される製品に害虫が混入するリスクは、以前よりも増しています」
さらに、輸入形態の変化も背景にあるようだ。