とはいえ、運動から遠ざかっている人にとっては、今さらハードな筋トレや時間のかかるランニングなどに取り組むのは難しい。
また、シニア層に人気の健康法として、ラジオ体操をはじめとする体操やストレッチなどが注目されているが、筋肉量を増やしたり、骨量を維持したりするだけの“数値に現われる”効果はなかなか期待できない。
そこで今、脚光を浴びているのが「ジャンプ系」の運動だ。これまでのべ3万人以上を指導し、最新刊の『跳ぶだけダイエット』(小学館)が話題になっているパーソナルトレーナーの鑄山和裕(いかけやま・かずひろ)氏は、「跳ぶだけエクササイズ(運動)」のメリットをこう解説する。
「その場で軽くジャンプする運動は、誰でも簡単にでき、ケガのリスクも少ないエクササイズですが、実は時間あたりのエネルギー消費量が大きく、運動効果が高いのです。
ふだん跳び慣れていない人だと、軽く20秒ジャンプしただけでも、ふくらはぎや腹筋に軽い筋肉痛が残ります。それはつまり、ジャンプ運動によって適度な負荷がかかっているという証なのです」
下肢(脚)には上肢(腕)の約4倍の筋肉があり、下半身は上半身よりも加齢による筋肉の減少が顕著だといわれる。その意味でも、下半身に効く「跳ぶだけ運動」は筋力アップには効果的だといえるが、さらに骨を刺激することで、骨芽細胞を刺激して骨量を増やす効果も期待できるという。