国内

《元受刑者が告白》出所したときに最初に自由を味わう瞬間は?「コンビニへ入ったとき」「自由にドアを開けられる」、スマホは返却されてもすぐに使えずかえってストレスに

映画『ショーシャンクの空に』が撮影された旧オハイオ州立教護院。作中でのショーシャンク刑務所(Avalon/時事通信フォト)

映画『ショーシャンクの空に』が撮影された旧オハイオ州立教護院。作中のショーシャンク刑務所(Avalon/時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、元受刑者が、出所後に自由を感じる瞬間について。

 * * *
 刑務所に入ったことを「後悔はするけれど、反省はしない」、服役している最中は「どうやったら楽に過ごせるかを考える」、出所が近くなれば「思うのは、今度はパクられないようにしようということだけ」という前科〇犯のヤクザたち。そんな彼らが出所して自由を味わうのは、どのような時なのか。

 ドラマや映画で、出所した元受刑者が職場でトイレに行きたくなり、手を上げて上司に申し出て許可を取ろうとするシーンを見たことがないだろうか。日本でも多くのファンに愛されている映画『ショーシャンクの空に』にも、そんなシーンが出てくる。俳優ジェームズ・ホイットモア演じるブルックスが、長期刑を経て釈放され、働いているスーパーマーケットでのシーンだ。自由を象徴する1つとして描かれているのだが、何から何まで許可を取らなければならない刑務所生活になじんだ元受刑者には、自由であることも逆に不安とストレスになってしまうようだ。

 詐欺や窃盗、恐喝や暴力事件で収容されるヤクザのほとんどは、数十年という長期刑ではなく、数年の刑期で服役し、出たり入ったりを繰り返す。そのため出所すれば、ブルックスのように不安を感じることなく、自由を満喫する。出所前、自由の雰囲気を微かに味わえるのが釈前房だという。

 人生のほぼ3分の2を刑務所で過ごしている者や、全国あちこちの刑務所を渡り歩いているという前科者でも、仮釈放、もしくは満期釈放される日が決まると、釈前房という部屋に移される。素行がよい者には、一般住宅に近い部屋で鍵がかかっていない開放寮に移され待遇が変わるようだが、暴力団の現役幹部はそうではなかったようだ。彼らが釈前房で自由にできたのはおひつだった。

「ご飯の時間になるとおひつが出てきて。自分で茶碗によそう。それまでは決まった量を決まった形で分け与えられていたのが、自分が好きなように、好きなだけ食べられる。メシだけでも自由になると、出所するんだという気分になる」(ある暴力団幹部・以下同)

関連キーワード

関連記事

トピックス

国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン