藤田のようなハードボイルドな女性刑事も台頭しつつあったとはいえ、主流は『太陽にほえろ!』でお茶汲み係を務めた青木英美や浅野ゆう子のようなマスコット的な役割だった。
「浅野さんは当時まだ中学生。最初の撮影の時、石原裕次郎さんの隣に立ち、『私のほうが脚が長い』と言ったんです。石原さんもビックリしていましたね(笑い)」(岡田氏)
1977年開始の『特捜最前線』では、関谷ますみが清涼剤だった。
「画面上だけでなく、男ばかりの撮影に紅一点がいると、雰囲気が和らぐんです。現場のチームワークは視聴者にも伝わりますし、大事な役割です」(樋口氏)
◆岡田晋吉:1935年生まれ。1957年に日本テレビに入社し、『青春とはなんだ』『太陽にほえろ!』『俺たちの度』『大都会』など数多くのヒットドラマを手掛ける。現在は川喜多記念映画文化財団非常勤理事を務める。
◆取材・文/岡野誠
※週刊ポスト2018年10月26日号