すると一転、松木氏はドリブル推しを止めた。得点から5分後の17分には、リードした状況を踏まえ、こう解説した。
「相手は、今度はボール取りたくてしょうがないから。ここでやっぱパスですよ。ここでパスですよ(※なぜか2度繰り返す)。どんどんどんどんボール動かせばね、どんどん日本のリズムになるから」
松木氏の中で、もうドリブルは必要なくなったようだ。
堂安がPKを決めた直後の後半13分、「エリア内でドリブルすれば、もう1個PKあるかもしれないんでね」と言ったのを最後に、松木氏は「ドリブル」という言葉を発さなくなった。
17分には、なぜか小声で「パスパスパスパスパス」と囁くほど完全に戦術を変更した。
後半の松木氏が発したドリブル関連語と他の頻出語は以下のような順位になる。
【1位】「よしよしよし」(17回)
【2位】「おい!」(16回)
【3位】「突っかけ」(5回)
【4位】「ドリブル」(4回)
【5位タイ】「いいボール」「仕掛け」(2回)
【7位】「入ってけ」(1回)
(※ 言葉の判定基準は前半と同じ)
先制した直後に「仕掛けていけばね、向こうはもうエリア内で足出すしかないんだから」と嬉しそうに振り返り、「エリア内でドリブルすれば、もう1個PKあるかもしれないんでね」と欲張り精神を出したものの、その後ドリブル関連語は21分の「入ってけ!」のみ。得点を取った後は、これ以外全く言わなくなったのである。