◆身長の高い人は「がん」にかかりやすい

 昨年、英国の学術専門誌『英国王立協会紀要』に、「高身長の人は、がん発症リスクが高い」とする論文が掲載された。

 論文は、米・カリフォルニア大学リバーサイド校のレナード・ナニー教授によるもので、「米国、欧州、韓国の男女それぞれ1万人以上を含む研究データを分析したところ、平均身長(男性175cm、女性162cm)の5cm下から10cm身長が高くなるごとに、がん発症リスクが10%増加した」という。

 この論文では、23種のがんとの相関が分析され「18種のがんで身長との相関が見られた」とも報告されている。その度合いが高い順に甲状腺がん、メラノーマ(悪性黒色腫)、リンパ腫、大腸がん、腎臓がんが挙げられた。

 同様の調査は日本でも行なわれている。国立がん研究センターは1990年代初頭から、研究に登録した全国の11万人(40~69歳の男女)を平均19年にわたり追跡調査。その結果「男性で身長168cm以上のグループは、160cm未満のグループよりがん死亡リスクが17%高くなる」ことが判明。加えて、「身長が5cm高くなるごとにリスクが4%増加する」ことが報告された。

 身長とがんに、なぜ相関関係がみられるのか。東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一医師がいう。

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