「諸説ありますが、主に2つの理由が考えられます。まず、背が高い人ほど体内の細胞の数が多いため、突然変異を起こしてがん化する細胞の候補が多いということ。次に、高身長の人は細胞分裂を促進させるホルモン『インスリン様成長因子』の値が高く、細胞分裂に失敗してがん細胞が発生するリスクが高くなる、というものです」
厚労省の統計(2015年)によれば、40代日本人男性の平均身長は170.8cm、50代でも169.2cm。つまり「がんリスクが高い168cm以上」に該当する人は少なくないわけだが、中川医師は「身長の影響は喫煙と比べればずっと小さい」と指摘する。生活習慣を見直すなど、他のリスク要因を減らすことから始めたい。
※週刊ポスト2019年6月21日号