最大震度6強を観測した6月18日の新潟・山形地震は、地震列島に暮らす恐ろしさを改めて感じさせた。深夜帯に9000戸以上が停電し、東日本大震災を彷彿とさせる規模の津波注意報も発令された。
本誌・週刊ポストで数々の大地震を予測し的中させてきた測量学の世界的権威で、『MEGA地震予測』を主宰する村井俊治・東大名誉教授に「次なる危険地域」を緊急取材した。
新潟・山形地震の6日前に発信したメールマガジン『週刊MEGA地震予測』で、村井氏は北信越地方を最も地震発生リスクが高い「要警戒」エリアに指定していた。村井氏が言う。
「我々は国土地理院が全国1300か所に配備している電子基準点の動きから地表の異常を分析しています。北信越を要警戒としたのは、山形県の地表が長期的な沈降傾向から隆起へと転じたからです。これは過去のデータと経験則から見て、大地震が起こる前に生じやすい兆候です。実は今、北海道から九州まで全国各地に一斉異常変動が起こり、同様の傾向が見られる地域が点在しています」
村井氏が最も地震発生リスクが高いと指摘するのは、別掲のマップの南海・東南海警戒ゾーンだ。
「和歌山の潮岬、高知の室戸岬の周辺で沈降が拡大しています。特に高知県内では、今月に入って4センチ以上の異常変動が6か所の電子基準点でまとまって見られました。近くの愛媛の宇和島、高知の宿毛が隆起傾向を見せている。四国一帯は特に注視が必要です」