これまでにも、トランプ大統領は時に暴論にも思える発言を繰り返してきた。しかし、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は、今回の一連の発言は「トランプの暴走」にとどまらないと分析する。
「トランプ大統領の発言が、アメリカの多数派の考えを代弁しているということです。それは、発端となったブルームバーグの記事が、“またトランプがおかしなことを言い出した”という懐疑的な論調ではないところからも感じ取れる。大統領自ら“日本はタダ乗りしている。もっと金を出せ”と音頭を取ればトランプ支持層からの賛同の声はもっと大きくなるでしょう。
日米安保はトランプ大統領があれこれ言ってもすぐに変えられるような脆弱なシステムではない。ですが、そうした『アメリカ人の民意』が膨張すれば、日米同盟が岐路に立たされる可能性は十分あります」
※週刊ポスト2019年7月12日号