国内

参院広島選挙区 岸田派と官邸・執行部に深い“怨念”残る

「参院のドン」を巡って仁義なき戦い(写真/時事通信フォト)

 参院広島選挙区では次の「参院のドン」の座をめぐる“仁義なき戦い”が展開された。広島は6人の岸田派国会議員がいる岸田派の牙城で、参院選では6選をめざす同派最高顧問・溝手顕正氏の“楽勝”とみられていたが、そこに「2議席独占」を掲げた官邸と執行部が元広島県議の河井案里氏を擁立したことで自民候補同士の血で血を洗うつぶし合いとなった。

 案里氏の夫は河井克行・総裁外交特別補佐。安倍晋三首相に近いだけでなく、菅義偉・官房長官の「側近ナンバー1」としても知られる。岸田派の地元議員はこう語る。

「参院自民党を仕切ってきた吉田博美・前参院幹事長が引退したことで、今回は“参院のドン”を決める選挙でもあった。次の“ドン”の有力候補が溝手さんだったが、溝手さんは2012年の総裁選の前に安倍さんを『過去の人』と言い放つなど安倍批判を繰り返した経緯がある。総理は肌が合わない溝手さんに参院を牛耳られるのは面白くないのだろう。だから官邸は2議席独占などという無理難題を吹っかけて“刺客”を立ててきた」

 そこで岸田派主導の自民党広島県連はホームページの表紙に参院選候補として溝手氏の名前を写真入りで載せながら、案里氏は名前も載せないといった恥も外聞もない“パワハラ”に出た。

 選挙戦でも非難の応酬。安倍首相、菅義偉官房長官、さらに二階俊博氏ら大物が案里氏の応援に入り、焦った溝手氏が「党幹部が少しフラフラし過ぎている。天から一声かければ何でも有利になるというのは間違いだ」と中央を批判すれば、二階氏は「悪口を言ってイジメていては政治家は育たない」と反論した。

 結果、河井氏は当選したものの、溝手氏は落選し、“参院のドン”の座も逃すことになった。選挙が終わってもノーサイドにはなりそうになく、岸田派と官邸・執行部に深い“怨念”が残りそうだ。

※週刊ポスト2019年8月2日号

関連記事

トピックス

日本のブライダルファッションの先駆け的存在、桂由美さん
《芸能人も多数着用》桂由美さんが生前嘆いていた「ナシ婚」 ウエディングドレスで「花嫁を美しく幸せにしたい」強い思い
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン