犯人の精神が垣間見える卒業文集

小学校の卒業文集では「運動会」について書いていた

「彼の部屋は食べ物の空き容器が散乱していて、部屋の壁に2、3か所、大きな穴が開いていました。ハンマーを振り回したのです。ベランダ側の窓も割れていました。赤いノートパソコンは画面が粉々に割れていた」

 この事件で懲役3年6か月の実刑判決を受けた青葉は、服役後、さいたま市にある保護施設で暮らした。保護施設では、働き口の有無を問わず半年で退所を余儀なくされる。青葉は施設を出ると近所のアパートで暮らすようになる。収入源は生活保護である。

 2017年頃から住み始めたアパートでも騒音トラブルは絶えなかった。毎夜午前0時4分に目覚ましを鳴らすという昼夜逆転生活を送り、ネット掲示板への書き込みに執心し始めたという。昨年秋頃、京アニに対し、「自分の作品をパクられた」「テロを起こす」などの書き込みがインターネット上の掲示板で見られたが、これが青葉によるものだと指摘されている。

 青葉の半生を精神科医の片田珠美さんはこう分析する。

「青葉容疑者は2012年にコンビニ強盗で逮捕され服役し、近隣住民とトラブルを起こすなど、孤独で欲求不満がたまりやすい人生を歩んできた。無差別殺人犯には、過去の例を見ると、孤独と欲求不満、そして『自分の人生がうまくいかないのは他人のせいだ』と思い込む他責的傾向といった共通点があります。青葉容疑者の、近隣トラブルや物に八つ当たりする行動を見ると、この傾向も当てはまります。

 京アニが狙われたのは、青葉容疑者がもともとアニメに強い執着があり、作品に感情移入するうちに『自分の考えが抜き取られた』という被害妄想を抱いたためではないでしょうか」

 事件の4日前の昼、青葉はすでに無差別殺人を決意していたのかもしれない。隣人がその一部始終を明かす。

「別の部屋の物音なのに原因は私だと思い込み、私の部屋の壁に物を投げたり、ドアのノブをガチャガチャ回したりしてきました。説明をしようとドアを開けて目が合った途端、胸ぐらをつかまれ“お前、殺すぞ!”とすごまれました。殺気立っていて、本当にやりかねないというか恐怖を感じました。“こっちはもう余裕ねえんだからな!”とも叫んでいて、その後にこの事件なのでゾッとしました」

 青葉が京都に向かったのは、この翌日とみられている。

※女性セブン2019年8月8日号

事件前日に台車に携行缶を載せ、京アニ方面へ歩く青葉と思しき男

関連記事

トピックス

【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン