●中森明夫氏(コラムニスト・役割を終えた派)
大河ドラマという枠、看板に縛られてしまっていることが不幸に感じます。1年間、毎週日曜20時からの放送時間は、今の視聴者層に適さない。『いだてん』だって、初期の段階から視聴者が離れてしまったため、伏線を回収して面白さが増した後半も視聴率が回復しませんでした。今の視聴者は見続ける我慢ができないということでしょう。
『麒麟がくる』の主役は明智光秀ですが、結局は時代劇で、同じテーマを繰り返しやっています。「大河はこうあるべき」という固定観念がマンネリ化を生んでいる。
視聴者も「大河にしては面白くない」「大河だから視聴率が悪くてもいい」という見方に縛られてしまいます。大河という枠は歴史的役割を終えたと考え、新しい形式のドラマにシフトしていい。
※週刊ポスト2020年1月17・24日号