国内

元西成区長「意外に治安いいし夜中歩いてもまず襲われない」

日雇い労働者が集まるあいりん地区(時事通信フォト)

「ディープ大阪」として知られる大阪府大阪市西成区。橋下徹大阪市長(当時)から任命され区長を務めたのが臣永正廣(とみなが・まさひろ)氏だ。臣永氏が当時の経験を語る。

 * * *
 2012年から2016年までの4年間、大阪市西成区の区長をしていました。大阪の24区は東京と違って自治体ではない。区長は選挙ではなく市長が任命する形でした。そこで橋下徹市長が大阪都構想の前段階として区長を公募し、私もそれに応募したんです。

 貧困層の子供たちが十分な教育を受けられるよう、区の支援体制を拡充したいという思いがありました。ただ、現実は大変でした。地元の徳島から来て、初めて新今宮駅を降りたら、おしっこの匂いがしたのをよく覚えています。在任中は、あいりん地区など大阪一ディープな街をど真ん中で見て来ました。

 何しろ覚醒剤が街中で普通に売られていましたから。注射器も路上に転がってた。検挙される人の3割は生活保護受給者で、使用も売買も同じくらいの割合。だから「税金で密売人と使用者を養っているようなものだ」と西成署の刑事がよく愚痴ってました(苦笑)。

 もちろん、真面目に働いて現状を脱却しようとする生活保護受給者もいましたし、彼らから生活保護手帳を取り上げる闇金業者もいて、それは許せないことでした。支給日に借金取りが付いていって、支給されたそばから現金を取り上げてね。賭博を紹介して、借金漬けにする。そういう連中は警察と連携してどんどん取り締まっていきましたよ。

 ヤクザももちろん多い。西成署によると、いわゆる暴力団の組事務所は東組のような大手を含めて区内に10数か所はありました。ただ、在任中に派手なドンパチはありませんでした。

関連記事

トピックス

前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン