芸能

講演家YouTuber鴨頭嘉人氏の動画再生回数が増え続ける理由

再生回数を増やし続ける講演家YouTuber(イラスト/ヨシムラヒロム)

再生回数を増やし続ける講演家YouTuber(イラスト/ヨシムラヒロム)

 YouTubeには「講演家」なる肩書きを名乗る人気者がいる。そり上げた頭に、情熱的な語り口、やたら広告に表示される鴨頭嘉人氏だ。数年前に動画をみたときは感銘も共感もできなかったと語るイラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏だが、最近、別の意味で気になっているという。ヨシムラ氏が、鴨頭動画がなぜ再生回数を増やしているのかについて考えた。

 * * *
 やけに記憶に残る広告ランキングで間違いなく上位にくるのが「『YouTube講演家』の鴨頭嘉人」の広告だ(自分調べ)。講演家・鴨頭嘉人のプロモーションビデオである。動画の内容は至ってシンプル。“スキンヘッドに絶やさぬ笑み”という強烈なビジュアルを持つ鴨頭が熱っぽく講演する、それだけ。知らないオッサンが画面を通して、猛烈に何かを語りかけてくる。体育会や自己啓発のノリが苦手な僕は、鴨頭の広告に出会うたびにスキップし続けた。

 よって存在は知りつつも講演を積極的に観ることはなかったわけだが、ここ最近になって鴨頭の動向が意図せず目に入る機会が増加している。

 チャンネル登録者100万人超え、一流YouTuberとなった鴨頭は頻繁に大物とコラボ。現在、オリエンタルラジオの中田敦彦や堀江貴文との対談動画が公開中。以前は「講演」が鴨頭の売り物だったわけだが、今では鴨頭という存在そのものが商品化している。僕の中でむくむくと鴨頭への興味が湧いてきた。

 YouTuberが最初に配信した1本目の動画は、そのYouTuberの個性を色濃く映す。もちろん鴨頭の一本目は講演の動画。7年前に配信された処女作で、鴨頭は自らの原点であるマクドナルドについてのエピソードを語っていた。

 鴨頭の社会人生活は、マクドナルドのアルバイトから始まった。初めての職場となったマクドナルド所沢店の上司から「働く意義や喜び、そしてマクドナルドで働くことが社会貢献につながる!」と熱弁されたという。鴨頭はその上司の言葉に感銘を受けた、と話していた。

 最近、お笑いトリオ四千頭身の後藤拓実やスノーボーダーの藤森由香など、マクドナルドのアルバイト経験がある人が「問題解決能力」「自発的になれた」「気遣い」「スマイル」など、バイトをしたことで様々なスキルを身につけられた、有意義な時間だったと語るテレビCMが放送されている。CMになっているということは、このメッセージは多くの人から良いもの、感じがいいものだと評価されているのだろう。鴨頭のYouTubeチャンネル登録者にとっても、好きなタイプのCMなのではないだろうか。

 当然、僕は講演、CMともに馴染めなかったわけで。ひとつの目的を目指し、皆がポジティブな気持ちで努力する。こういったことがマクドナルドのカウンター内で日夜繰り広げられており、アルバイトスタッフもチームプレーに徹する。こんな想像をするだけでもしんどい。世間から見れば僕がダメな人間である。「いかに疲れずに稼ぐか」に重きを置く思想なき働き手だ。ネガティブなアルバイトよりもポジティブな鴨頭の講演やマクドナルドCMの方が健全と理解しつつも、どうしても転向できない。

 しかし意外だったのが、僕のような鴨頭と相容れない人間でも講演の動画が苦なく観られたといった点である。脂っこい外見とは異なり、YouTubeで公開されている動画は淡白でサッパリとしていた。

関連記事

トピックス

奥田瑛二
映画『かくしごと』で認知症の老人を演じた奥田瑛二、俳優としての覚悟を語る「羞恥心、プライドはゼロ。ただ自尊心だけは持っている」
女性セブン
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン
日本テレビ(時事通信フォト)
TBS=グルメ フジ=笑い テレ朝=知的…土日戦略で王者・日テレは何を選んだのか
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
「滝沢歌舞伎」でも9人での海外公演は叶わなかった
Snow Man、弾丸日程で“バルセロナ極秘集結”舞台裏 9人の強い直談判に応えてスケジュール調整、「新しい自分たちを見せたい」という決意
女性セブン
亡くなったシャニさん(本人のSNSより)
《黒ずんだネックレスが…》ハマスに連れ去られた22歳女性、両親のもとに戻ってきた「遺品」が発する“無言のメッセージ”
NEWSポストセブン
主犯の十枝内容疑者(左)共犯の市ノ渡容疑者(SNSより)
【青森密閉殺人】「いつも泣いている」被害者呼び出し役の女性共犯者は昼夜問わず子供4人のために働くシングルマザー「主犯と愛人関係ではありません」友人が明かす涙と後悔の日々
NEWSポストセブン
不倫疑惑に巻き込まれた星野源(『GQ』HPより)とNHK林田アナ
《星野源と新垣結衣が生声否定》「ネカフェ生活」林田理沙アナが巻き込まれた“不倫疑惑”にNHKが沈黙を続ける理由 炎上翌日に行われた“聞き取り調査”
NEWSポストセブン
ハワイの別荘と合わせて、真美子夫人との愛の巣には約40億円を投資
【12億円新居購入】大谷翔平、“水原一平騒動”で予想外の引っ越し 日系コミュニティーと距離を置き“利便性より静けさ”を重視か
女性セブン