ビジネス

少子化進むニッポンの末路 国力ダウンが招くこれだけの悲劇

20年後、子どもの数は総人口の10.7%にまで低下する

20年後、子どもの数は総人口の10.7%にまで低下する

 今世紀最大の災禍をもたらしている新型コロナウイルス。感染者数こそ減ってきているが、まだ楽観視はできない。第2波、第3波にも備えなければならない。こんな状況が続く中、深刻化する一方の少子化は歯止めがかかるどころか加速する恐れさえある。子どもが減り続けるニッポンの将来はどうなってしまうのか。ジャーナリストの山田稔氏が検証する。

 * * *
「コロナショックはリーマン・ショックよりもインパクトがはるかに大きい」── 5月12日 に決算発表したトヨタ自動車の豊田章男社長の口から発せられた言葉だ。日産自動車は世界で2万人を超える人員削減を視野に入れていることが明らかになった。

 コロナ禍による経済への打撃は日を追うごとに深刻になってきている。帝国データバン クが5月8日に発表した4月の景気動向調査によると、企業の景況感を示す景気動向指数は前月比6.7ポイント低下し、25.8となった。これは2010年1月以来10年3か月ぶりの低水準だ。同社は先行きについて「コロナ収束の不確実性は強く、景気後退が続く」と指摘している。

 すでにコロナ関連の倒産は200件に迫る勢いで、5月26日現在で184件(帝国データバンク調査)と伝えられている。同社は今年の年間倒産件数は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で1万件を超すとの見通しを明らかにした。第一生命経済研究所の永濱利広首席アナリストは、緊急事態宣言が5月末まで延長されるとの前提で、失業者が約77万人出ると予測している。

 緊急事態宣言は全国で解除されたが、感染第2波、第3波の恐れが指摘される中、倒産、失業ともに今後大幅に増えることは間違いない。日本経済はリーマン・ショック時、いや世界恐慌時並みの大不況に陥るかもしれない。先行き不透明感、不安感は強まるばかりである。

 コロナ禍が長期化すれば、東京五輪は延期後の来年開催さえ危ぶまれ、インバウンド 4000万人構想は見果てぬ夢に。もはや安倍政権の成長戦略は崩れ去った。それどころでは ない。昨年秋の消費税増税以降の景況感悪化に加え、コロナによる経済大打撃で、どこまで落ち込むか分からない局面に立たされている。

 希望が持てないなか、格差がますます広がり、結婚や出産をためらい、あきらめる人たちも出てくるだろう。このままでは少子化に歯止めをかけることは至難の業である。

関連記事

トピックス

5月8日、報道を受けて、取材に応じる日本維新の会の中条きよし参議院議員(時事通信フォト)
「高利貸し」疑惑に反論の中条きよし議員 「金利60%で1000万円」契約書が物語る“義理人情”とは思えない貸し付けの実態
NEWSポストセブン
殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン
なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
令和6年度 各種団体の主な要望と回答【要約版】
【自民党・内部報告書入手】業界に補助金バラ撒き、税制優遇のオンパレード 「国民から召し上げたカネを業界に配っている」と荻原博子氏
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン