「ダークウェブ上にも、通常のウェブ上のフリマサイトのような『マーケットプレイス』が存在します。規模が大きく名前が知られているもので、20~30ほどあるでしょう。

 そこでは携帯電話番号やクレジットカードの暗証番号などの個人情報のリストや、覚せい剤などの違法薬物、拳銃などの銃器が平然と売買されています。アクセスしている人の情報は暗号化されているので、特定される心配がなく、犯罪集団による違法売買がまかり通っているんです」

 専門家のガイドによってダークウェブ上のマーケットプレイスをのぞいてみると、すぐにTさんが使用したスミス&ウェッソン社製のリボルバー拳銃も見つかった。

「出品者とのやり取りは、普通のフリマサイトと同じです。欲しい商品があれば、マーケットプレイスのメッセンジャーでやり取りをして、品質をチェックしたり、価格の交渉などをします。出品者の素性は知れないですが、過去の出品に対する評価が★などで表示されているので、それで信頼ができる出品者なのかは判断ができます。

 ためしにアメリカから出品されている外国発送用の拳銃を見てみると、10万円ほどと安いものから100万円を超えるものもあってピンキリです」(前出・ダークウェブに詳しい専門家)

 ちなみに、ダークウェブ上での決済には、個人情報が漏れるクレジットカードはもちろん使えない。仮想通貨を使うことがほとんどで、「最近は有名な『ビットコイン』だと足がつくので、匿名性の高い仮想通貨『モネロ』を使うことがほとんど」(前出・ダークウェブに詳しい専門家)だという。

「Tさんの場合も、ダークウェブで注文し、モネロで決済して、アメリカからの国際郵便でリボルバーと実弾を手に入れたのでしょう」(前出・ダークウェブに詳しい専門家)

 いまやインターネットの知識と10万円ほどのお金があれば、普通の高校生でも簡単に拳銃を入手できてしまう時代なのだ。ダークウェブ上を探していくと、拳銃どころか、マシンガンやロケットランチャーといった物騒なものまで流通している。

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