ダウンタウンの浜田雅功さんのCMは印象的(CMより)

──ハークスレイ入社から3年後、経営コンサルタントとして独立。同年、「出前館」を運営する夢の街創造委員会(現・出前館)の社外取締役に就任します。

中村:ハークスレイ時代に取引があった夢の街創造委員会は経営コンサルタントとしてのクライアントの1社で、当時の社長から社外取締役になってほしいと頼まれたんです。

 マーケティングを中心にお手伝いしていましたが、取締役会に出てみてびっくりしました。給与遅配が常態化しており、多額の負債を抱えていて資金繰りは待ったなしの状況でした。

 そこで当時、ベンチャー企業支援に力を入れていた大阪ガスさんにプレゼンして出資をお願いしました。事業計画や資本政策に関する企画書を作成して、成長見込みや業界の伸びしろをご説明したところ、興味を持っていただけた。

 その頃、当時の社長から「もし大阪ガスからの出資がまとまったら、中村さん、社長をやってくれ」と言われていました。

 結果、4000万円の出資をいただけることが決まり、私も「思い切って挑戦してみよう」と2002年1月に社長就任を決めたんです。

加盟店数は3万店突破

──それから18年余が過ぎました。コロナ禍で飲食店が軒並み苦戦するなか、デリバリーやテイクアウトは大きく拡大しています。ダウンタウンの浜田雅功さんのCMも印象的です。

中村:ハークスレイに在籍していた2000年は外食市場のピークでしたが、将来的には縮小していくことが明らかでした。

 私は20年前から、いずれどの飲食店もデリバリーやテイクアウトが必須になると確信していましたが、コロナ禍でその波が一気に押し寄せてきた感じですね。まさか20年もかかるとは思いませんでしたが……。

──急激な宅配需要の高まりにどう対応する?

中村:総力を挙げて体制を整備しました。デリバリーの配達スタッフも、コロナ前は1500人ぐらいでしたが、直近では4000人を超えるまでになっています。

 出前館の加盟店数は7月に3万店を突破しました。この1年間で1万店以上増えたことになります。緊急事態宣言下の5月が伸び率のピークでしたが、その後も毎月、前年比150%以上の伸び率をキープしています。

 何より、飲食店の方々の意識がすっかり変わったことが大きい。特にコロナ禍で一番打撃が大きかった居酒屋や焼き鳥のチェーンなどに多くご加盟いただいています。

 デリバリーを始めることで、イートインとは違う新規のお客様が獲得できることを理解していただけた。外食業界の中でその認識が一気に広がっていると実感します。

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