そこにいるだけで…(時事通信フォト)

 さらに、ドラマウォッチャーでライターの中村裕一氏は、中条の魅力について「スタイルの良さが非の打ちどころのないくらい完璧」である一方、「銭湯やサラリーマン川柳が好きだという庶民的な一面も持っており、彼女を知れば知るほどそのギャップと親しみやすさに惹かれる」と語る。

「女優としてはこれまで、映画『チア☆ダン』でのチアダンサー、『覆面系ノイズ』でのバンドのボーカル、『ニセコイ』での金髪ハーフ美女など、キャラの立った個性的な役が多かったのですが、彼女が演じると不思議と違和感がなく、すんなり受け入れられる。元気で明るい表情も素敵ですが、憂いを帯びた切なく哀しい表情がとても魅力的で、表現力の多彩さを感じます。最近ではドラマ『白衣の戦士!』などで等身大の役にもチャレンジしており、まだまだ無限の伸びしろ、そして可能性があると言っても良いでしょう」(中村氏)

『閻魔堂沙羅の推理奇譚』での中条の演技に、中村氏はこんな期待を寄せる。

「今回の新ドラマ『閻魔堂沙羅の推理奇譚』はNHK大阪局の制作。単独主演ということでプレッシャーもあるかもしれませんが、大阪は彼女の地元とあって、リラックスした空気感で撮影に臨めたことでしょう。ドラマのほうは、彼女が演じる閻魔大王の娘・沙羅が死者と対峙するという設定で、かつて釈由美子主演でドラマ化、映画にもなった『スカイハイ』を彷彿させる世界観に期待がかかります。難しい役どころですが、彼女なら確かな演技を見せてくれると思います。

 11月には女性パラアスリートの生き様を描く主演映画『水上のフライト』の公開、来年1月にはドラマ『君と世界が終わる日に』の放送開始と、出演作が続々と控えており、来年以降もっと多くの人の目に留まる機会が増えていくでしょう。

 単独主演することで制作者の注目も集まり、さらなるステップアップが期待できます。クールな役から可愛い役、キャラの濃い役まで、幅広く演じられるのが一番の魅力。映画やドラマだけでなく、異国の地で現地の人たちとふれあう紀行番組や、世界進出を視野に入れた語学番組などでも彼女の姿をぜひ見てみたいですね」

 もともとダンスは苦手だったが、映画『チア☆ダン』のために訓練を積み、苦手意識を克服したこともあるという努力家な一面もある。“天性の華”で国民的女優になる日も近いかもしれない。

●取材・文/細田成嗣(HEW)

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