みそ汁とごはんで脳内環境をリセット
「腸内を浄化するためには、まず、ふだんからよく噛むこと」と言う管理栄養士の島田奈美さんは、日頃から体内クレンズを意識した生活を送っている。
「30回以上、咀嚼することで食べ物は細かくなり、消化されやすくなって、胃や腸の負担が減ります。よく噛まずに未消化のままだと、腸内で炎症が起きやすく、腸内環境悪化の原因に。すると、便秘になりやすくなります。老廃物のほとんどが大便によって排出されるので、便秘は浄化の大敵と心得て」(島田さん・以下同)
ふだんは3食しっかりとり、腹八分目を心がけているが、どうしても体が重く、だるいときは、「リセットご飯」を食べるという。
「ご飯とおみそ汁のセット、これだけです。ご飯は普通の白米。おみそ汁は野菜やお豆腐など好きな具材を入れます。
なぜ、この2つかというと、代謝を上げる上で基本的な栄養が入っているからです。ご飯に含まれる糖質は、エネルギー源なので代謝を上げて活動しやすい体作りをするために必要です。
私は検診クリニックで栄養指導をしていますが、“朝ご飯が食べられない”“午前中はだるい”という人には、毎朝、おみそ汁を1杯飲むことをすすめています。
おみそ汁のだしやみその香りにはリラックス効果があり、アミノ酸も含まれているので腸内環境も整います。また、温かいものを体に取り入れることで、体温も上がり、代謝も上がります。おみそ汁を飲む習慣を身につけたことで、体調がよくなったという人も多いんです」
また、胃腸に負担をかけず、体内をクレンズするためには、和風だしをスープのようにして飲むこともすすめる。
「かつおぶしや昆布、煮干しでとった和風だしは旨み成分であるグルタミン酸やイノシン酸が含まれているので、ほんの少し塩を入れるだけでもおいしく感じ、だしだけを飲んでも満足感が得られます。
食事と食事の間に空腹を感じたら、おやつの代わりに和風だしを飲むと、無駄な食欲の暴走を抑えられます。市販のだしパックを水で煮出して、ポットに入れて持ち歩くのでもいいですね。
3食きちんと食事をとり、消化、吸収、代謝がしやすい体を作っておくことも重要です」
コロナ太りが気になるなら、クレンズ生活を取り入れて食生活を一度リセットするのもよさそうだ。
●クレンズみそ汁の作り方
【1】水300mlに、煮干し10gを頭とはらわたを取りのぞいて入れ、2~3分煮出してだしをとる。
【2】 【1】のだしに大さじ1.5~2のみそを溶く。おろししょうがを加えると体が温まる。
「ご飯は150~200g、具材は季節の野菜を3種類組み合わせるのが基本です」(島田さん)
【プロフィール】
島田奈美さん/管理栄養士。働く女性の健康支援を軸に次世代の健康の底上げのために研究から啓発・環境整備までを行う、一般社団法人ラブテリ トーキョー&ニューヨーク公認カウンセラー。
取材・文/廉屋友美乃
※女性セブン2021年10月28日号