薬師丸は2006年、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で第29回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した(写真/女性セブン写真部)

薬師丸は2006年、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で第29回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した(写真/女性セブン写真部)

遠藤:典子ちゃんは野球選手でした。

角川:やはり女優を妻にするというのは難しいんでしょうね。特に相手がアーティストやミュージシャンは、互いの自己顕示欲のぶつかり合いになりますから。

遠藤:確かに。

角川:それにしても、3人ともいまだに透明感がありますね。特に知世。彼女は角田光代さん原作のドラマ『紙の月』に主演しています(2014年・NHK)。これを見たとき、なんてピュアなんだ、知世はデビューの頃から変わってないと感動しました。

 彼女の場合は『時をかける少女』がデビュー作にして代表作。長年その呪縛があって、『時をかける少女』を歌うことができなかったそうです。結婚を経て、ボイストレーニングを受けて、ようやくデビュー35周年のときにアレンジを変えて歌うことができた。このライブのとき、彼女にビデオレターを出したのですが、どうやら会場に来てほしかったらしいです。

遠藤:角川三人娘はその後の映画界に大きな影響を与えました。ぼくは、『GO』(2001年)という映画で、脚本を手がけた宮藤官九郎くん(51才)と仕事をしていますが、彼は角川映画に影響を受けていて、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年)の大女優・鈴鹿ひろ美は、薬師丸さんを当て書きしている。映画監督の行定勲さん(53才)も、薬師丸さんの作品を何度も見ていると話していました。

 角川三人娘の映画は、40年近くを経たいま振り返っても、21世紀の日本映画のいしずえを築いたと思います。

(了)

【プロフィール】
編集者・映画監督・映画プロデューサー 角川春樹さん(80才)/角川春樹事務所代表取締役社長。出版界の風雲児として、数々のヒット作を生み出すかたわら、映画プロデューサーとして、1976年『犬神家の一族』を皮切りに、映画界に進出。角川映画として、『人間の証明』(1977年)、『野性の証明』(1978年)、『ぼくらの七日間戦争』(1988年)、『天と地と』(1990年)など70作を世に送りだす。2020年には監督作の映画『みをつくし料理帖』が公開。全人生を語った書籍『最後の角川春樹』(伊藤彰彦著/毎日新聞出版)でも『角川映画』誕生秘話を明かしている。

映画宣伝プロデューサー 遠藤茂行さん(68才)/東映にて角川映画『戦国自衛隊』(1979年)を皮切りに、『セーラー服と機関銃』(1981年)、『探偵物語』(1983年)、『Wの悲劇』(1984年)など数々の話題作の宣伝を手掛ける。東映作品として『ビー・バップ・ハイスクール』(1985年)、『バトル・ロワイアル』(2000年)、『GO』(2001年)ほか数々の作品に宣伝、企画、製作などとしてかかわる。現在も映画プロデューサーとして活動する傍ら、ダンス・芸能専門学校『東京ステップス・アーツ』で講師を務める。

取材・文/廉屋友美乃

※女性セブン2022年3月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
兵役のため活動休止中のBTS。メンバー全員が除隊となる2025年にグループ活動再開を目指している(写真/アフロ)
【韓国大手事務所HYBEの内紛】「BTSの父」と「NewJeansの母」が対立 ARMY激怒で騒動は泥沼に、両グループの活動に影響も
女性セブン
有村架純と川口春奈
有村架純、目黒蓮主演の次期月9のヒロインに内定 『silent』で目黒の恋人役を好演した川口春奈と「同世代のライバル」対決か
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
小泉氏は石破氏に決起を促した
《恐れられる“純ちゃん”の政局勘》小泉純一郎氏、山崎拓氏ら自民重鎮OBの会合に石破茂氏が呼ばれた本当の理由
週刊ポスト
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン