コロナ禍の苦境は「芸術に救われた」
──画業30周年を迎えた心境を教えてください。
ジミー:今の世の中が僕の絵を受け止めてくれるのかなと不安に思っています(笑)。
今回出した作品集(『Jimmy Onishi ART WORKS 1993-2022』)は僕にとって30年間の日記のようなものなんです。世界のいろいろな場所をまわって、たくさん描いてきて、年代ごとに変化してきたので。
──コロナ禍で活動に変化はあった?
ジミー:絵を描くことを生業にしていてよかったなとあらためて思いました。他の芸人さんたちはコロナ禍になってから仕事が減ってしまった人も多かったんですけど、僕は自宅で一心不乱に絵に向かっていけた。劇場やテレビに出るのではなく、キャンバスに向かっていたらよかったので、絵に助けられたところがありましたね。芸術に救われたというか。
──画業で大事にしていることはなんですか。
ジミー:僕はもともと“本物の画家”じゃないんです。吉本興業の芸人として絵を描いているので、やっぱり作品を見た人に喜んでもらえるのが自分の中で一番なんです。
今回の展示(『POP OUT』)も“楽しませる”というのがコンセプトです。会場内に「ジミーの部屋」というのを設けて、そこで僕が絵を描いたり、ご飯を食べたり、寝たりするんです。普通の画家はやらないと思いますけど、それを見て写真を撮ったりして楽しんでほしいなと。
人に喜んでもらいたいということが本質にあるので、そこは大事にしていこうと思っています。