芸能

中井貴一、佐藤浩市…活躍続ける“ネオカンレキ”俳優、「中高年の星」とは違う魅力

ダンディーな色気が増す中井貴一

ダンディーな色気が増す中井貴一

 このところ、ドラマや映画で60歳前後の俳優の活躍が目立つ。彼らを「ネオカンレキ」と命名するコラムニストのペリー荻野さんが、その魅力を解説する。

 * * *
 お久しぶりです。こんにちは、中井貴一研究所、所長のペリーです。

 公開中の映画『大河への道』。町おこしのため、地元の偉人・伊能忠敬を大河ドラマの主人公にしようと奮闘する人たちの現代の物語と、忠敬を支え、日本地図を完成させた名もなき“チーム忠敬”を描く江戸時代の場面を、同じ俳優たちが演じるというユニークな構成の作品だ。

 当初、「主演・中井貴一」と聞いて、てっきり伊能忠敬役だと勘違いした私は、そっかー、伊能忠敬も隠居して、測量の旅に出たのは55歳。60歳の貴一とはまさに同年代。ついにご隠居の役を…と勘違いが暴走していたので、まったく違う役でスクリーンに現れた瞬間、所長としたことが!!と深く反省したのであった。

 とはいえ、ここで考えたのは、60歳、還暦世代の俳優たちの活躍ぶりだ。先日は、『日曜日の初耳学』に佐藤浩市(61歳)が登場。早速、壮絶な最期のシーンで注目された『鎌倉殿の13人』の上総広常についての話が出た。

 その脚本を書いた三谷幸喜(60歳)も同世代。そして、「盟友」「かけがえのないもの」という渡辺謙(62歳)、真田広之(61歳)、中井貴一、同世代俳優とのつながりを語った。中でも、86年の映画『犬死せしもの』で共演して以来の飲み友達だという真田については、「また日本でやろうぜ」と声をかけたが、「アメリカが楽しい」という気持ちを聞き、「そうか」と納得したエピソードは印象的だった。

 ここで名前が出た「同世代俳優」は、昔の還暦世代俳優とはかなりイメージが違う。昔の60歳といえば、そろそろ『水戸黄門』の主役になってもいいかという年ごろ。『渡る世間は鬼ばかり』で、泉ピン子らの父親役を演じた藤岡琢也は、ドラマスタート時、ちょうど60歳。佐藤の父、三國連太郎が『釣りバカ日誌』に初めて出演したのが、60代半ばということを思うと、“ネオカンレキ”(ペリーが勝手に命令)の佐藤、中井世代が醸し出す「まだまだ暴れて見せます感」は、すごい。それはよく言われる「中高年の星」とか「レジェンド」とはまったく違うところが新しい。

 もっとも彼らの前に“ネオカンレキ”がいなかったかといえば、そういうわけでもない。かなり以前、孫が生まれたニュースがあったばかりのある名優(故人)にインタビューしようとしたところ、「これからもラブストーリーの主役もやりたいから、家庭の話、特に祖父になった話はNG」と言われたのだった。主演作もたくさんあり、確固たる地位を築いた方が持つこの貪欲さ。色気。忘れられない。ただ、こういう例はまだ珍しかったのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
兵役のため活動休止中のBTS。メンバー全員が除隊となる2025年にグループ活動再開を目指している(写真/アフロ)
【韓国大手事務所HYBEの内紛】「BTSの父」と「NewJeansの母」が対立 ARMY激怒で騒動は泥沼に、両グループの活動に影響も
女性セブン
有村架純と川口春奈
有村架純、目黒蓮主演の次期月9のヒロインに内定 『silent』で目黒の恋人役を好演した川口春奈と「同世代のライバル」対決か
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
小泉氏は石破氏に決起を促した
《恐れられる“純ちゃん”の政局勘》小泉純一郎氏、山崎拓氏ら自民重鎮OBの会合に石破茂氏が呼ばれた本当の理由
週刊ポスト
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン