辞任会見を開くゴルバチョフ氏(写真/AFP=時事)

辞任会見を開くゴルバチョフ氏(写真/AFP=時事)

2人が経験した国家存亡の危機

 習近平はこの時の果断な措置が評価され、出世の階段を駆け上がっていく。これとは対照的に、習仲勲は閑職に飛ばされ、不遇のまま1993年に退任した。2度の粛清に続く、事実上3度目の失脚といってもいいだろう。

 これまで見てきたように、同僚や部下から愛されていた父親の人徳を、習近平は尊敬してきた。一方、3度にわたり権力闘争に敗れて失脚した父の政治姿勢を「反面教師」と習は捉え、あえて逆張りともいえるスタイルをとってきた。天安門事件で、父親の政治路線とは完全に決別し、権力を掌握して共産党による指導を固めることに専念するようになった。

 同じくこの時、プーチンも祖国滅亡の瀬戸際を目の当たりにしている。

 このころプーチンは、ソ連国家保安委員会(KGB)の諜報員として東ドイツのドレスデンに駐在していた。ベルリンの壁が崩壊した1989年11月9日、デモ隊がKGBドレスデン支部に押し寄せた。庁内にいた当時37歳だったプーチンは、群衆が迫るなか、慌てて文書を燃やし、本国に軍事支援を求めた。だが、梨のつぶてだった。プーチンは自身のインタビュー集『第一人者』の中で、当時の心境を振り返っている。

「私たちはモスクワの命令がなければ何もできない。モスクワは沈黙している。その時、この国はもう存在しないのだと実感した。もう消えてしまったのだと」

 その2年後にソ連は崩壊。そして9年後にプーチンはロシア最高指導者に上り詰めた。

 1952年生まれのプーチンと1953年生まれの習近平。習が2013年に初首脳会談をしたプーチンに「我々2人はとても似ていると思う」と言及したように類似点は少なくない。

 共に国家存亡の危機を経験した2人は、体制維持を最優先にして、反対派を力で抑え込んで「一強体制」を築き上げていった。対外政策では、かつての「帝国」を取り戻す「夢」を掲げている。

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