仕事と“母活”はしっかり区別

仕事と“母活”はしっかり区別

菅野美穂さんもよく頑張りました

 いまでこそ実力派俳優として不動の地位を築いた堺だが、ここに至るまでの道のりは平坦ではなかった。

「役者の道を志したのは中学生のとき。書店で手にした演劇の専門誌を読んで1980年代の東京で巻き起こった小劇場ブームに憧れを抱いたことがきっかけだといいます。地元宮崎の県立高校に進学して演劇部に入り、廃部寸前の部を盛り立てた。演劇論や哲学書を読み漁る天才肌で、自ら書き下ろした脚本が大会で賞を獲ったこともあったといいます」(舞台関係者)

 当時の堺に演技を指導した宮崎在住の女優、濱崎けい子氏が振り返る。

「宮崎県は高校演劇が盛んで。県主催の1泊2日の演劇講習会で講師を務めた私は、群像劇をやることにしたのですが、役の立候補者を募ると毎回、誰よりも先に“ぼくがやります!”と手を挙げるのが堺くんでした。

 彼がいた演劇部は県の代表として九州大会に出ましたが、みんな堺くんのやる気や彼の世界観に引っ張られていた印象です。彼は高校時代から、演劇への情熱とセンスがほかの人より抜けていた」

 早稲田大学第一文学部に進学後、演劇研究会に入り前述の劇団「東京オレンジ」の旗揚げに参加したのは1992年。看板役者として活躍し、数々の舞台に主演した。

「大学は3年で中退したものの、劇研には6年籍を置いたそうです。『早稲田のプリンス』と呼ばれ、当時から追っかけのファンがつくほど女性にモテていました」(前出・舞台関係者)

 1998年頃、前事務所と契約した堺はテレビドラマに進出。2000年のNHK連続テレビ小説『オードリー』でヒロインに思いを寄せる監督役を演じて脚光を浴びると、アルバイトをしなくても生活ができるようになったという。

 その後も2004年のNHK大河ドラマ『新選組!』や2008年の同ドラマ『篤姫』、『Dr.コトー診療所』シリーズ(フジテレビ系)など立て続けに話題作に出演。舞台にも毎年のように出演し続けていた。

 女優の菅野美穂(45才)と結婚したのは2013年3月。前年12月に公開された映画『大奥~永遠~ 右衛門佐・綱吉篇』の共演がきっかけで堺が熱心に口説き落としたといわれる。

「菅野さんに『あなたの演技は素晴らしい』と直接伝え、周囲には『色香がある』、『肌が美しい』とベタ惚れだったといいます。結婚してからも、妻を気遣う優しい夫としての姿勢が評判を呼び、好感度も落ちなかった。むしろファッションに無頓着だった堺さんが、菅野さんと結婚したことでずいぶん垢抜けた印象になったと評判は上々でした」(芸能リポーター)

 2015年に第一子の出産を公表した際、堺は《菅野美穂さんもよく頑張りました》とコメント。2018年12月に第二子も誕生した。人気俳優同士でありながら、お互いの仕事に敬意を払い育児や家事も分担する姿は好感度も高く、理想の夫婦ランキングの常連組でもある。

「ただ、無理もないことですが、お子さんが生まれてからふたりとも仕事のペースはすっかり変わってしまった。出産後、女優活動を再開した菅野さんは2016年秋にドラマ『砂の塔』(TBS系)に主演。朝ドラのナレーターや連ドラ出演など、復帰後も引く手あまたです。菅野さんが仕事をするときは堺さんは絶対大きな仕事を入れないそうです。忙しいときは堺さんが子供を連れて彼女の実家へ行き、義母の手料理をごちそうになることもあるとか」(前出・芸能リポーター)

 昨年末の午前中、自宅マンションの前の坂道を駆け上がる菅野の姿があった。スエットの上下に手にはジムの荷物とスーパーの紙袋、なぜか髪がびっしょりと濡れていたという。近隣住民が言う。

「よく朝にトレーニングをされているのですが、いつも時間に追われている様子で。お子さんが小さいこともあり早く帰りたいのか、シャワーを浴びた後、髪を乾かす時間を惜しんで急いで帰宅したのでしょう。家事や育児のため濡れた髪で走って帰る彼女を見て、感心しながらも“寒くないの?”と心配になります」

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