テレビには夢がまだまだ詰まっている
年明けに放送された『さんま・玉緒のお年玉!あんたの夢をかなえたろかSP』では、木村拓哉が主演した2000年の大ヒットドラマ『Beautiful Life』(ともにTBS系)の影響で美容師になった夫に“木村拓哉に会いたい”という夢を、同ドラマのセットを完全再現して叶えて、話題を集めた。戸部田さんは言う。
「テレビのすごさは、見ている人に“夢”を与え、その人の人生を変えるだけの力を持っていること。そして、テレビ自体がひとつの長編ドラマとして多くの視聴者に共有されていることだと思います。
紅白歌合戦での有吉弘行さんの歌唱に感動したのは、彼の歴史をぼくたちが知っていたから。こうした番組単位の点ではなく線で見ることができるのは、ほかの配信プラットフォームなどでは真似できない、テレビだけが持つ大きな武器ではないでしょうか」
【プロフィール】
境治さん/メディアコンサルタント。著書に『嫌われモノの〈広告〉は再生するか』(イースト・プレス)、『テレビは生き残れるのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。
戸部田誠さん/ライター。てれびのスキマという名義でも執筆。著書に『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。
取材・文/辻本幸路
※女性セブン2023年2月9日号