過剰な原状回復費用を請求されるトラブルがたびたび起きている(イメージ)

過剰な原状回復費用を請求されるトラブルがたびたび起きている(イメージ)

 日本の出生数は1984年に150万人を切り、第三次ベビーブームを迎えないままに減り続けている。ワンルームの人気は1960年代後半から1970年代生まれという圧倒的な人口ボリューム層によって支えられてきたと言っても過言ではない。とくにバブル期、ワンルームは「おしゃれ」とされ、いわゆるトレンディドラマの舞台ともなった。しかしいまや当時の華々しさとは縁遠いような、老朽化したワンルームも多い。

「マンションにしろ、アパートにしろ、古くなればメンテナンスはかかるし大規模な修繕も必要です。とくに1980年代から1990年代に作られたワンルーム物件は薄利の「お荷物」になりつつあります。家賃を下げるしかないが経営は苦しくなる。ファミリー向けはまだ需要がありますが、古いワンルームは多すぎる上に埋まらない。そういったマンションの大家さんや管理会社(貸主)からすれば背に腹は代えられない」

 またやはりコロナ禍も影響あると語る。

「空室の長期化も目立ちますね。それをどこで、誰から取り返すかという話にもなる」

 正当なクリーニングではなく、資産維持のための修繕やリフォームのコストを、退去する借主に負担させているということか。

「その通りです。もちろん貸主もそれらがガイドラインに違反していることはわかっています。まあ、法律に疎かったりする借主相手なら足元を見るというか、「言ってみるか」程度の話ではあると思います。実際、現状判断や契約書の拡大解釈で適当に言っても「わかりました」と素直に認める人もいますからね。とくに若い人は、私の経験上も泣き寝入りし易いと感じます」

 先の筆者の20代のころと同様の話。実際、国民生活センターからも「若者向け注意喚起シリーズ」として2022年3月3日に「住宅の賃貸借に関する消費者トラブルは、10~20歳代の若者にもみられます。特に、親元を離れ新たな生活を始める際に賃貸借の契約をすることが多く、トラブルにならないよう注意が必要です」と若者向けに特化した注意喚起が事例とともに公表されている。

【事例1】
娘が賃貸マンションを借りることになったが、入居前に解約を申し出たところ、支払ったお金はほとんど返金できないと言われた。契約書には、解約時の違約金として家賃1カ月分と記載されていた。鍵も受け取っていないのに、支払ったお金がほとんど返ってこない。
【事例2】
2年間居住した賃貸マンションを退去した後、貸主から、ハウスクリーニング費用やクロス・天井の貼り替え費用、エアコン洗浄費用、風呂の鏡のうろこ取り等で計 17 万円もの原状回復費用を請求された。契約時に敷金礼金はなく、家賃は約 12 万円で、契約書に原状回復に関する特約もなかった。

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