冒頭の女性は、鄭の再犯の被害者だった。「メープル」の信者名を与えられた彼女は、鄭に犯された一部始終を録音しており、番組内で音声が公開された。
「大きな尻だ。感じてるのか? 何回イッたんだ。私は50回はイッたぞ」
「神様に選ばれたんだ。他の人には触らせるな」
性犯罪の前科者として足首にGPS装置を付けた鄭は、反省の素振りもなく行為に及んだとメープルさんは証言する。
「海外逃亡中も教団幹部に女性信者の写真付きのプロフィール書類を送らせ、好みの女性を物色していた男です。罪の意識はないのでしょう」(李氏)
再び白日の下にさらされた鄭の所業。だが、今作では描かれなかった暗部がある。日本人女性への性犯罪だ。
「ダイジョーブ」
摂理の日本上陸は1980年代半ば。韓国から留学生として来日した信者が、各大学で教えを広めていったと言われている。
「東大や一橋、早慶上智といった一流大学に布教サークルを置き、信者を増やしていきました。この過程で幾人もの日本人女性が鄭に“献上”されたのです」(李氏)
本誌『週刊ポスト』は2006年、鄭の性被害にあったAさん(当時30)の肉声を報じた。
大学在学中に友人から勧誘を受けて摂理の信者になったAさんは、1999年に鄭が来日した際、「教祖があなたに会いたがっている」と教団幹部に言われ、大阪府内の教団本部に案内されたという。その時の出来事をAさんはこう証言した。
「鄭の専用部屋に入ると、いきなりうつぶせになるよう指示されました。鄭は私のシャツを脱がし、ブラジャーもずらして胸を触ってきました。“ダイジョーブ、ダイジョーブ”と片言の日本語で声をかけながら、パンティも脱がされ、私のなかに指を挿入してきたんです」