近隣住民が不安を口にする愛之助の実家

近隣住民が不安を口にする愛之助の実家

空き家放置はトラブルの温床

 だからこそ、その実家が近所の“厄介事”になっていることは愛之助にとっても本望ではないはずだ。そしてこの実家問題は私たちにとっても他人事ではない。総務省の「住宅・土地統計調査」(2018年)によると、全国に空き家は約848万戸あり、そのうち放置状態にあるものは約347万戸とされる。空き家問題に詳しい司法書士法人代表の椎葉基史さんが、空き家増加の背景を語る。

「大きさにもよりますが、空き家の解体費用の相場は200万円ほど。更地にして売れればいいが、場所によっては売れないリスクがあります。また、住宅一戸につき200平方メートルまでの住宅用地は固定資産税が最大6分の1、都市計画税が最大3分の1まで減額される特例が適応されていますが、空き家を解体して更地にすると特例が適用されず、最大6倍の固定資産税を払うことになる。このような経済的負担の大きさから、空き家を放置する人が目立ちます」

 一方、台風などの自然災害で空き家の一部が倒壊して隣の家に損害が出たり、ゴミの不法投棄や不審者の侵入、放火など、空き家はさまざまなトラブルの温床になる。

「現実に空き家のブロック塀が破損して被害を受けたとして、隣人が空き家の名義人に130万円の修理費用を請求したケースがあります。空き家を放置するとさまざまなリスクを抱えます」(椎葉さん)

 政府も対応に乗り出し、今年3月には、窓が割れていたり、草木が生い茂っているなど、人が住んでいる形跡がなく放置されている家は、固定資産税の優遇措置を取りやめることが閣議決定された。空き家はできる限り処分させる流れが進んでいる。愛之助のケースとは異なる理由かもしれないが、実家の空き家問題は社会の関心事でもあるのだ。

「墓参りが趣味」と公言する愛之助は、両親の墓前に手を合わせる機会が多い。好きな女性が現れるたびに一緒に墓参して両親に紹介し、新しい仕事が決まったときも報告のため必ず墓前を訪れていたという。

「愛之助さんは離れて暮らした期間が長い分、亡くなった両親への思いが強いのでしょう。両親と一緒に過ごした実家は愛之助さんにとって特別な場所です。ただし、家は住んでいないと朽ちるだけで、さまざまなトラブルを招きますし、多忙な愛之助さんが実家を管理するのも現実的ではありません。愛之助さんは家族の記憶が残る実家の今後について、何らかの決断を下すことを求められています」(前出・愛之助の知人)

 朽ちた実家をどう処分するか。愛之助が墓前で両親に相談する日が近づく。

※女性セブン2023年7月20日号

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