さらに、脱水状態の有無を確認することも有効だという。その指標が「体重」だ。
「低血圧になりやすい脱水状態かどうかをたしかめるには、体重測定が目安になります。夜に比べて、朝の体重が1kg以上減っていたら、まず脱水を疑いましょう。適切な水分補給が必須です」
夏の血圧異常は「下がりすぎる」だけではない。温度変化による“急激な上昇”にも気を配りたい。
「気温が高いと、体内の熱を逃すために血管が拡張します。その状態で冷えた室内に入り、体表面の温度が下がると、今度は血管がグッと収縮して血圧が上がります」
夏にもヒートショックがあるわけだが、夏の場合は、室内に入った時に血圧上昇により脳血管が破れる「脳出血のリスク」が高くなるという。
外は猛暑の一方、屋内は寒すぎるほどの冷房。そうした環境での血圧の乱高下のリスクがあることに留意し、上着を持ち歩くなど服装に気をつける必要がある。
※週刊ポスト2023年8月11日号