女性が声を上げられる時代に

女性が声を上げられる時代に

 コールセンターで働いている女性も、20歳のときに職場の同僚と初めてホテルに行ったが、〈指1本入らない状態〉で、それ以降の12年間で30人あまりと試したが、痛みが酷くてできなかった。〈『できない』といううしろめたさもあるので、男性に対して積極的に関われない〉という。

 しかし、未経験の大人の女性が増えているというが、「男性に興味がない」「痛みが酷くて耐えられない」という女性は「昔から一定数存在していた」と、家田氏は指摘する。

「昔は、女性は適齢期になったら結婚しないと、という圧が凄かった。かつて私が初めてテレビに出たとき、各界の新人女性が5人集められました。台本には『ここにいる皆さんは偶然にも結婚していませんが、結婚するつもりはないんですか』と書いてあった。私は既婚者だったので、ディレクターに『あの、私、結婚してますが』と言ったら、その部分は削除されました。

 当時は、働くイコール結婚しないという、典型的な古い男性社会でした。また有名な討論番組では『結婚しない女性』がテーマに取り上げられ、『なぜ結婚しない?』とMCが責める場面が、普通に放送されていました。

 女性は結婚するのが普通とされ、そうでないと職場でも、地域社会でも非難された。そのため、どんなに痛くてもそうした声は上げづらかったし、我慢しなければいけなかった」

 しかし、女性が経済的に自立しやすい社会となり、結婚していないことを特別視する悪しき風潮も薄れてきた。当然、男性に対して「我慢」する理由もなくなる。

「この本に出てくる女性たちは、周囲に流されたり、壁にぶつかったり、悩んだりしながら、最後は自分自身でどうするかを決めたところが素敵です。堂々と『自分はこうなのよ』って選んだ道を言える時代になったんだと、とても思います」

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