予知ができれば余裕で逃げられる
世界中の学者たちが英知を集結させ、日夜研究に励む地震予測。実用化されたら、被害はどう変化するだろうか。
「阪神・淡路大震災では火災で多くの人が亡くなっています。早朝で朝食の準備に火を使っていた家庭が多かったためです。もし予測が可能になれば、火元を止めることで火災の発生件数が減り、死者数もかなり減ると思います」(島村さん)
首都直下地震の被害想定では地震火災による死者数は最大1万6000人にものぼる。予測が実現すれば、相当数の被害を抑えられるだろう。ほかにも建造物倒壊による死者も確実に減ると推測される。事前にドアを開けておくことで家に閉じ込められることを防げたり、エレベーターや車から降りておくことで事故を防ぐことも可能になる。事前に調べた近場の安全な場所に移動する時間も生まれる。
「あらかじめわかっていれば精神的ショックも軽減され、パニックの防止にも役立つでしょう。また事前準備の時間ができることで、津波などの被害も抑えられる可能性があります」(麒麟地震研究所)
防災グッズを確保する余裕も生まれるが、その準備には注意点もある。
「防災グッズも種類が増えましたが、全部用意するとかさばって逃げられません。ペットボトルの水500ml、長めのタオル、持病のあるかたは数日分の薬を用意してあれば充分です」(高橋さん)
日頃から地震に対する備えを怠らず、地震予測が可能になる未来を待ちたい。
※女性セブン2023年11月2日号