やく:腰も粘りがあるし、重いし。元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方に言わせると、相撲が上手いんですって。取組中の力士は終始力を入れているのではなく、何かのはずみで力が抜ける時があって、琴ノ若はそこを攻めるのが上手いそうです。しかも、相手の力が抜けるように仕向けるのだという。稀勢の里が“意識的にやっているのか”と聞いたところ、“そうです”と答えたそうですね。
ヨネスケ:おとっつぁん、おじいちゃん(元横綱・琴櫻)の相撲じゃない。誰に似たのかね。
やく:たしかに、お父さんは相撲が下手でやたらと取組が長かったし、おじいちゃんはガ~ンと行くだけだった(笑)。
ヨネスケ:本当に全く相撲が違うんだからね。
(後編につづく)
【プロフィール】
ヨネスケ/1948年、千葉県生まれ。漫画家。1967年、桂米丸に弟子入り。1981年に真打昇進。『突撃!隣の晩ごはん』(日本テレビ系)での人情味溢れるキャラクターで親しまれ、プロ野球、大相撲に造詣が深い。
やくみつる/1959年、東京都生まれ。落語家。1981年、漫画『がんばれエガワ君』でデビューし、1996年『文藝春秋漫画賞』を受賞。元日本相撲協会外部委員で、テレビコメンテーターとしても活躍する。
※週刊ポスト2024年1月12・19日号