会費1万円で約1100人が出席したのであれば、単純計算で収入は「約1100万円」だ。本誌の取材で、欠席したが会費は支払ったという政界関係者もいたことから、会費収入の総額はそれ以上だった可能性が高い。
政治資金規正法は、〈政治資金パーティーは、政治団体によつて開催されるようにしなければならない〉(八条の二)と定めており、パーティーなどの事業ごとに収入を政治資金収支報告書に報告する義務がある。
ところが、岸田首相の資金管理団体「新政治経済研究会」の政治資金収支報告書によると、この年、岸田首相は7回の政治資金パーティーを開いて収支を報告しているが、「祝う会」については収支どころか、開催したという記載すらない。岸田首相の政党支部や、冒頭の伊藤學人氏が代表を務める「岸田文雄後援会」の収支報告書にもパーティー開催の記載はない。
過去には安倍晋三(元首相)後援会が「桜を見る会」前夜祭パーティー【*注】の収支を報告しなかったことで政治資金規正法違反に問われたが、極めて似た構図ではないか。
【*注/2016~2019年の総理大臣主催「桜を見る会」の前日、「安倍晋三後援会」が地元後援者らを集めた前夜祭パーティーを開いていたが、収支報告書に一切記載がなかった問題。2020年に後援会側がパーティー費用を補填していたことなどが発覚。安倍氏の公設第一秘書(安倍晋三後援会代表)が政治資金規正法違反(不記載罪)で略式起訴され、100万円の罰金の略式命令を受けた】
岸田首相の「祝う会」はどこが主催で、集めたカネはどうなったのか。