大石静さんは芸人さんの知られざる一面を輝かせる天才
また、前述の『キングオブコント』(TBS系)といえば、近年の優勝者をはじめ決勝進出の若手の皆さんに対しては、「演技ができる(=うまい)のが特徴」と明石家さんまサン(68才)などの先輩がたが指摘しています。
特に2021年の優勝者「空気階段」の水川かたまりサン(33才)と、鈴木もぐらサン(36才)は引っ張りだこと言っても過言ではありません。昨年10月期、Sexy Zoneの菊池風磨クン(28才)主演のドラマ『ゼイチョー〜「払えない」にはワケがある〜』(日本テレビ系)で、2人は最終回で共演。
また、“傍聴マニア”として芸人さんを毎回のように起用していたドラマ『イチケイのカラス』(フジテレビ系)にも「空気階段」は出演。ほかにも「見取り図」や「3時のヒロイン」なども出ていました。いずれもコンテストの優勝者や上位入賞者です。
「見取り図」の盛山晋太郎サン(38才)は今期、憧れだという反町隆史サン(50才)主演のドラマ『グレイトギフト』(テレビ朝日系)で好演されています。身長180cmで体重100kgと、まず存在感がものすごいことに加え、悪い顔をすると、トンデモない悪人顔になる。実際、そのような結果となりましたが、反町サンとの共演で、もう「思い残すことがない」そうです(笑い)。
そして「3時のヒロイン」からは今期、福田麻貴サン(35才)が『婚活1000本ノック』(フジテレビ系)に、なんと主演されています! 気持ちを言い当てられて体に矢が何本も突き刺さるシーンもあれば、幽霊役のクソ男、FANTASTICS from EXILE TRIBEの八木勇征サン(26才)との会話シーン、さらには婚活ガールとして揺れる想いを表現しまくる撮影は大変だと思いますが、福田サン、ホントにお上手です。
昨年10月期のドラマ『時をかけるな、恋人たち』(カンテレ・フジテレビ系)でも等身大の女性役としてゲスト出演した福田サンの演技があまりにもすばらしかったので『サンデージャポン』(TBS系)で共演させていただいた際、お伝えしたほどです。いまもっとも監督や演出家から狙われている“ヒロイン”だと思います。
また今期は24年ぶりに連ドラに主演した「とんねるず」の木梨憲武サン(61才)がW主演の奈緒サン(28才、ファンです!)と繰り広げる父と娘の物語『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)が大人気ですよね。ステージ4のすい臓がんを患いながらも、仕事をセーブせず明るく日々を過ごすノリさんの演技には毎回、泣かされます。
そして今期は、芸人さんの中でもっともドラマや映画出演が多いのではないかと思われる「ネプチューン」の原田泰造サン(53才)が『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(東海テレビ・フジテレビ系)に主演されています。テレビ東京系の『サ道』シリーズも大人気ですし、過去には3本の大河ドラマや連続テレビ小説『ごちそうさん』、『ツレがうつになりまして。』など、NHK御用達の芸人俳優でもありました。
その中の1本、『コントレール〜罪と恋〜』(NHK)で石田ゆり子サン(54才)に想いを寄せる刑事役を演じた泰造サンは本当にすてきでした。同作の脚本を担当された大石静さん(72才)も「なんでお笑いをやってるのかわからないほどの名優」と絶賛されていたんですよね。そして大石さんは、芸人さんの知られざる一面を輝かせる天才です。脚本を担当している『光る君へ』の金田サンや秋山サンの出演も、大石さんの“お口添え”でしょうか。
「まだ」のかた、ぜひ『光る君へ』をはじめ、芸人出演ドラマをご覧くださいね。
構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ〜テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。
※女性セブン2024年2月15日号