七十年代のドラマや映画では、派手目な女性が「あたいはさあ、朝まで踊っていたいのさ」みたいな感じでよく使われていた。「あたい」で始まるフレーズが、ですます調で終わることはまずなかったと記憶している。
自分を「あたい」と呼ぶ場合、対になる二人称は「あんた」である。「あんた」は今でも時々耳にする。私もたまーに使ってしまい、その度にしまった、と思う。しかし、令和6年に自分を「あたい」と呼ぶ女性はほぼいない。
十年後か二十年後かわからないけれど、「俺」は「あたい」と同じ末路を辿るのではないだろうか。それがしの予測である。