白鵬には、ほかのモンゴル出身力士と異なる点がある。それは、2007年に日本人である紗代子夫人と結婚したことだ。
「ほかのモンゴル人力士がモンゴル人女性と結婚するなか、白鵬が選んだのは日本人女性でした。将来、親方になって自分の部屋を持ちたい白鵬にとって、おかみさんは“日本のしきたり”を知る女性の方が適していましたからね。
ところが、白鵬がどんなに勝とうとも、親方としての適性をアピールしようとも、協会は“ダメなものはダメ”と議論すらしようとしませんでした」(前出・ベテラン相撲記者)
結果的に白鵬は2019年に日本国籍を取得。2021年9月の引退後に親方となった。
しかし、協会との間にできた溝は埋めがたいものになっている。例えば、白鵬が名誉会長を務める少年相撲の「白鵬杯」は、アマ相撲には珍しい世界大会であるにもかかわらず、日本相撲協会は後援にすら名を連ねていない。
「ひとえに“白鵬のイベント”だから協力したくないのでしょう。本来、協会がやるべきことを、白鵬が自分でスポンサーを集めてやっているんです。協会は行動力と先を見る目がある白鵬を妬んでいるとしか思えません。大相撲の裾野を広げることに貢献しているのに、ちっぽけなプライドが邪魔しているんです」(相撲ジャーナリスト)