国際情報

中国のフジタ社員拘束理由 日本に50兆円出させるためと指摘

 日本が船長を逮捕した報復として中国が拘束したのは、大手ゼネコン・フジタの社員4名だった。これは、たまたまそうなったわけではない。完全に狙われたのだ。国際ジャーナリストの落合信彦氏はこう語る。

******************************
 かつて私も中国を取材中、天安門広場で写真を撮っていただけで、公安に1時間ほど拘束されたことがあった。極論すれば、中国では、特定の外国人を拘束しようと思ったら、どんな罪状でもデッチ上げられる。中国内にはいくらでも拘束できる日本人がいたのに、なぜ、フジタの社員が狙い打ちされたのか。

 彼らが遺棄化学兵器処理事業の受注を狙って活動していたからである。この遺棄化学兵器処理事業とは、旧日本軍が中国に放置したとされる毒ガスなどの化学兵器を、日本が責任を持って廃棄するというものだ。これまで、500億円以上の日本の金がつぎ込まれ、最終的には50兆円を超える金がかかるともいわれている。

 そもそも、この事業は日本が行なう必要があるのか否か、議論も噴出しているいわくつきのもの。1945年の終戦にともない、日本軍から中国軍及びソ連軍に化学兵器が引き渡されており、遺棄したのは日本軍ではない、との指摘がなされているのだ。そして、この事業は9月4日に本格的にスタートしたばかりだった。

 中国側はフジタの社員を拘束することで、「遺棄化学兵器処理事業で日本に文句はいわせない」とのメッセージを送った。要するに、黙って金を出せ、ということだ。

※週刊ポスト2010年10月22日号

関連記事

トピックス

ハトを虐待する男(時事通信)
〈私の力は強烈すぎて鳥の大腸を破裂させてしまう〉動物愛護法違反で逮捕された“ハトマスク男” 辻博容疑者(49)の虐待実態「羽をむしり解体」「音楽に合わせて殴打」
NEWSポストセブン
テスラCEOのイーロン・マスク氏(EPA=時事)と保守派インフルエンサーであり作家のアシュリー・セント・クレアさん(Xより)
《4人目のパートナー女性現る》イーロン・マスク氏に“13人目”の子どもが誕生か、米・インフルエンサーがSNSで主張、「赤ちゃんの父親はイーロンです」
NEWSポストセブン
歌手・岡田奈々が45年ぶりにステージへ復活
【伝説の美少女】女優・岡田奈々「45年ぶりの生歌唱」に挑戦へ 「自分の部屋で『青春の坂道』を歌っています」
週刊ポスト
二刀流復活に向けた肉体改造なのか(2025年2月撮影/共同通信社)
【大谷翔平の体型変化】やせて見えるのは「シーズン後半にピークを設定」「右肘への負担軽減」のためか 打撃の飛距離は落ちても“投手としてプラスに働く”可能性も
週刊ポスト
熱愛が明らかになった
【熱愛スクープ】柄本時生、女優・さとうほなみと同棲中 『ゲスの極み乙女』ではドラマーとして活動、兄・柄本佑と恋人役で共演 “離婚を経験”という共通点も
女性セブン
佳子さまを見られる機会が減ってしまうのか(時事通信フォト)
佳子さま、SNSで拡散された「公務ドタキャン説」の真相 昨年中に「多忙のため欠席」と連絡済み、昨年の公務数は134件で皇室屈指
週刊ポスト
終始心配した様子の桐山照史
WEST.桐山照史&狩野舞子、大はしゃぎのハネムーンを空港出発ロビーで目撃 “時折顔を寄せ合い楽しそうにおしゃべり”狩野は航空券をなくして大騒ぎ
女性セブン
徳永英明の息子「レイニ」が歌手としてメジャーデビューしていた
徳永英明、名曲の名を授けた息子「レイニ」が歌手になっていた “小栗旬の秘蔵っ子”の呼び声高く、モデル・俳優としても活躍
女性セブン
昨年12月末に20代女性との不倫関係が報じられた西武・源田壮亮
《不倫騒動の西武・源田壮亮》「奥さんは大丈夫だったのか?」「雲隠れしとったのか?」西口監督から“事情聴取”の現場
週刊ポスト
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「じゃあ眼球を摘出できますよね?」田村浩子被告を“ガン詰め”する検察官に弁護側が反撃「取り調べで録音されていない箇所が…」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
水原一平の父が大谷への本音を告白した
《独占スクープ》水原一平被告の父が告白!“大谷翔平への本音”と“息子の素顔”「1人でなんかできるわけないじゃん」
NEWSポストセブン
新しい配信番組のMCを担当する予定の堂本光一
《堂本光一もMCの1人に》ジュニアが出演する配信番組の制作が極秘進行中、「デビュー組もジュニアも分け隔てなく出演する」形に
女性セブン