国内

年収1億円稼ぐ人でも抱くコンプレックスは「育ち」「家柄」

 日本には現在147万人の資産1億円以上の富裕層がいる。国の消費市場に大きな影響を与える彼ら。では、「お金持ち」になれば、人生バラ色なのだろうか――。

******************************

「お金持ち」になれば、人生バラ色かといえばそうでもない。年収1億円を稼ぐ富裕層でさえ劣等感を抱く。

 富裕層研究の第一人者で、『日本のお金持ち研究』の著書もある同志社大学経済学部・橘木俊詔教授の調査によると、開業医を最も輩出しているのが東京医科大、日大の両大学。そこに弘前大、三重大、新潟大などが続く。

「医師免許を取るには、必ずしも高偏差値の大学に合格する必要はありません。開業医として独立するのは、名門大学を避けた医師が圧倒的に多い」(橘木教授)

 高学歴が出世の条件だった往時の企業社会ならともかく、現代ビジネスに学歴は関係なくなってきている。

「特に起業家にとって学歴は何の意味も持たない。富裕層を対象にしたアンケートで、“経済的成功を収めるためにしてはならないこと”の1位が“一流大に行く”という結果だったこともあります」(同)

 一方で、それと矛盾するような調査結果がある。『プレジデント』(2008年10月13日号)が年収1000万以上の高所得者に「わが子を入れたい大学」を調査したところ、1位東大、2位京大、3位慶応、4位早稲田と続いた。

 自らは高学歴でなくとも子息は名門大学に入学させたい―というのが親の本音のようだ。橘木教授は語る。「名門大学には付属からエスカレーターであがってきた名家出身の子息が多い。ハイクラス人脈と交流することで、所作や教養を我が子にも身につけてほしいという思いがある。一代で財を築いた“お金持ち”特有のコンプレックスです」

※週刊ポスト2010年11月26日・12月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン