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2011.01.12 10:00  SAPIO

池上彰氏 メドベージェフ氏の国後島訪問に隠れた意図を解説

 ニュース解説の達人、池上彰氏が、ナショナリズムの台頭が著しいロシアの新しい動きを分析する。

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 2010年11月にロシアのメドベージェフ大統領が歴代のソ連、ロシアの最高首脳としては初めて北方領土の国後島を訪問しました。この強硬な姿勢からメドベージェフの“覚悟”がうかがえます。
 
 ロシアでは2008年に当時のプーチン大統領が2期目の任期を終え、メドベージェフ大統領、プーチン首相という「双頭」体制がスタートしました。当初メドベージェフはプーチンの傀儡と見られていました。2010年「ウィキリークス」が暴露した米外交公電でも、アメリカ側がプーチンとメドベージェフの2人を映画「バットマン」のバットマンと従者ロビンの関係にたとえていたことが話題になりました。これは絶妙なたとえでしたが、2012年の大統領選を前に状況は変わりつつあります。“中継ぎ”とされていたメドベージェフが“続投”に強い意欲を見せているのです。

 メドベージェフは、ナショナリズムを掻き立てて国民の絶大な支持を得る“プーチン流”の政治手法を間近で学んでいます。国後島訪問も、そんな政治手法と無関係ではありません。この強硬姿勢は、プーチンの返り咲きが噂される次期大統領選に向けて“もう1期、自分にやらせてほしい”というアピールの一環と見ていいでしょう。

※SAPIO2011年1月26 日号


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