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日本経済 デフレの13年で富が4000兆円減と京大教授が試算

デフレの日本。牛丼の値段はついに一杯240円まで下がった。給料ダウンで小遣いを減らされているサラリーマンには、物価下落は“心強い味方”のように見える。だが、「助かるよなァ~」なんて思っているとしたら、あなたはデフレの罠にはまっている。

デフレはなぜ、「悪」なのか。京都大学大学院の藤井聡・教授(都市社会工学)は日本がデフレで失った経済損失をこう算出する。

「日本が1995年から世界各国の平均値で経済成長し、インフレが進んできたと試算すると、2008年の我が国のGDPは1193兆円になっていたことになります。現実は500兆円だから半分以下です。デフレによって失われた富は13年間で4000兆円。日本の成長を世界平均の3分の1と低く仮定しても損失の累計は1920兆円になります。これだけの富があれば、財政赤字解消だけでなくインフラを整備し、企業も膨大な研究開発投資で強靭な国際競争力を身につけていた」

だからこそ、このデフレスパイラルを脱却し、経済回復させるにはインフレを起こし、「バブル経済」を発生させる効用を、今こそ本気で考えるべきなのだ。

※週刊ポスト2011年2月4日号

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